2009年06月17日

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

こんにちは! ミナクサブログ“うまいもん”担当のぎんねこです。

草津のまちが古くから水陸交通の要所であり、宿場として栄えきたことは
これまでも当サイトでご紹介してきましたが、
人が集まるところ、うまいもの、うまい酒あり!ということで
今回は地元の酒蔵を訪ねてみました。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

「道灌」の銘柄で知られる「太田酒造」。


草津本陣にほど近い商店街のなかにあり、
「草津街並み博物館」のひとつにもなっています。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」


表からではわかりにくいかもしれませんが、
横の通りへまわってみると、白壁の蔵がずらりと並び、
大きな規模の蔵元であることがよくわかります。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」


同社のお酒は滋賀はもとより全国各地で販売されていて
蔵の並ぶ本社でも各種のお酒を販売するスペースがあります。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

店内には同社とまちの歴史を語る古い品々も展示され、
2階はホールとしても使える多目的スペースになっています。



そもそも「道灌」という銘柄は先祖の名から取ったもの。
江戸城を築城したことで有名なあの太田道灌を祖にもつ家柄なんです。


草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

酒造りを手掛けるようになったのは約130年前の江戸末期ですが、
草津宿での太田家の歴史は古く、江戸初期、3代将軍・家光の命を受けて
関守の役目を代々務めてきました。

太田家は宿場の人馬継立所や貫目改所といった公的機関の役目を果たしながら
街道の動静を見張る役割、いわゆる「かくし目付」の役割も担っていたといわれ、
太田家一帯は「政所(まんどころ)」と呼ばれ、草津宿の政治的中心だったわけです。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」


領土としていた田畑とその年貢米である近江米を有効に使うため
酒造りを始めたのは江戸末期。
いまでは灘にも酒蔵をもち、ワイン農園も手がけています。

草津宿を本拠とする太田酒造ですが
「実は南草津一帯の開墾にも大きく関わっているんですよ」
と話してくださったのは会長の太田實則さん。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

昭和15年、戦火が拡大するなか、食糧増産と燃料(アルコール)生産のため
野路一帯の開墾を中心となって手掛けたのも太田家。


草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」写真の野路観音寺山一帯は
現在パナソニックの工場あたりだそうで、
太田家が建立した観音像が今も残って
いるとか。



そんな草津の歴史がつまったお酒がずらりと並ぶ店内。
試飲して選ぶこともできるようになっています。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

純米、山廃、大吟醸などさまざまな味がそろい
味や製法、使用米などが詳しく書き出してあるので選びやすい!

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

HPでも銘柄が詳しく紹介され、購入することもできます。→ 詳しくはこちら


また、太田酒造といえば栗東に広大な「琵琶湖ワイナリー」を
もつことでも有名ですよね。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

戦中の同社を支えた先代は、たいへんな苦労人で
酒造りを極めるだけでなく新しいことにも積極的に挑戦し、
戦後まもない昭和21年には栗東の広大な荒地をブドウ畑として開拓。
当時の日本ではまだまだ少なかったワイン醸造がスタートしました。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

現在では欧州の最高級品種といわれるブドウの栽培にも成功し、
「琵琶湖ワイン」の名は広く知られるようになっています。


太田酒造が手掛けるのは日本酒、ワインだけに留まりません。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

焼酎の種類も豊富で、草津の「あおばな」にちなんだ品のほか
大吟粕取焼酎「近江の華」も人気の品。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」


梅酒をはじめとした果実酒もバラエティー豊か。
草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」


草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」ブランデーDOHKANは、自社ブドウ園で栽培・醸造した
ワインを、コニャックやアルマニャックなどと同様に
単式蒸留器ポットスティルで蒸留した100%ピュア
グレープブランデー。
国内でこの蒸留方式をとるところは珍しく、他と一線を
画した個性派です。




販売コーナーから2階へ上がると、広いホールになっています。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

ここは蔵の見学者に開放されていて、酒造りや草津のまちの歴史について
会長ご自身が講演してくださることもあるそう。

また、蔵の特性を生かした「酒蔵コンサート」が催されることも。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

館内には太田家伝来の品が展示されていて、
草津の歴史について触れた絵巻などは、さながら郷土資料館のよう。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」



また、酒蔵も見せていただきました。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

敷地のなかは驚くほど広々として、「道灌蔵」「不盡蔵」と呼ばれる建物のほか
数百年を経た蔵も残っていました。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

ここではなんと、いまも地下深くから水を汲み上げ、仕込水に使われています。
そんな澄んだ水が地下を流れているとは、地元の人でもなかなか知らない事実かも。

美しく冷たいこの水は「不盡の名水(ふじのめいすい)」の名で親しまれ、
「道灌」の味を支えています。

草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」草津宿の歴史を見守り続けてきた酒蔵「太田酒造」

知るほどに、味への強いこだわりがうかがえる同社の酒造り。
まちの歴史に思いを馳せながら杯を傾けてみるのもいいかもしれませんね。



太田酒造株式会社
草津市草津3丁目10-37
TEL 077-562-1105
営業時間 8:00~17:00
定休日   第2・3土曜、日曜、祝日

HP     http://www.ohta-shuzou.co.jp/


※情報は2009年6月現在。詳しくは直接お問い合わせください。



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